科技メモ

テクノロジーと人間について、取材の備忘録とか思ったこととか

「仮想通貨とブロックチェーン」(木ノ内敏久、日本経済新聞出版社)

著者は日経新聞産業部や経済解説部での記者、日本経済研究センター研究員などを経て、経営論などが専門の日経新聞シニア・エディター。貨幣の概念から、仮想通貨の解説、ビットコインの現状、それを支えるブロックチェーンの仕組みまで、わかりやすくまとま…

科学技術に「夢」はあるか

量子コンピュータの記事について、友人(科学部の記者)とツイッターでやりとりをしていて、実用化がまだ遠いという点での量子コンピュータに、未来物語として夢があると彼は言う。 一方で私は、D-waveのようにすでに商用化されている流れでの量子コンピュー…

「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」(山本一成、ダイヤモンド社)

今年4月、5月に開催されたコンピュータ将棋とプロ棋士による対局「電王戦」で、佐藤天彦名人を破ったのがコンピュータ将棋「ポナンザ」だ。そのポナンザを10年にわたり開発してきた山本一成さんが、将棋とAI、囲碁とAI、人間とAI、また倫理観まで語ったの…

教師データなしでビデオ映像から学習するAIをディープマインドが開発

ディープマインドは、教師データなしでビデオ映像をもとに自動的に学習をするAIを開発した。というニュースがニュー・サイエンティストに載っています。 DeepMind AI teaches itself about the world by watching videos | New Scientist 一般に、機械学習で…

イーロン・マスクらのOpenAIがeスポーツで世界トッププレイヤーに勝つ

イーロン・マスクらが出資する人工知能(AI)開発チームのOpen AIが開発したbotが、ゲームの大会で世界トッププロの人のプレイヤーに勝利した。Dota2というPCゲームで勝敗を競う世界大会「The International」で対戦した。この大会はの賞金は2400万ドルとの…

狸小路の映画館

先日、唐突にとても懐かしい方からフェイスブックで友達申請をいただいた。10年前の学生時代、4年ほど受け付けボランティアをした映画館の代表Yさんだった。合わせてメッセージもいただいて、先方が覚えていてくださったのが嬉しかった。 新聞社に就職が決…

2011年のWIRED

WIRED日本版の雑誌が復活したのは2011年で、コンデナスト・ジャパンに出版社がうつってからのことだ。dマガジンの創刊号特集で復刊1冊目の2011年6月に出た号が読める。WIRED日本版は当初は季刊だったが、2015年3月から隔月になった。 復刊第1号の表紙は、ま…

「AIご神託」はありかなしか

昨日放送のNHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」が、周囲のAIに詳しい専門家の方々に不評だ。非常に不評だ。 www.nhk.or.jp 何が不評か、というと、人が解釈してアジェンダ設定している内容を、「これはAIが提言しているんです。私たち…

第二フェーズ

「倫理委員会」という委員会名は適切ではないのかもしれないという議論は常にある。実際、数年前にこの委員会が設置されたときには、別の名称も検討されていたという。それでも、「倫理」という単語を入れたことで、誤解をされながらも様々な人から関心を持…

「挑む! 科学を拓く28人」(日経サイエンス編集部 編、日本経済新聞社)

日経サイエンスの巻頭インタビュー連載「フロントランナー 挑む」に2014年〜2017年前半の間に掲載された中から28本をまとめて編集した本が明日発売されます。 www.nikkei-science.com 「挑む」はその分野のトップ研究者にインタビューをしてまとめる「人もの…

メディカルジャーナリズム勉強会

先日、メディカルジャーナリズム勉強会へ行ってきました。市川さんが主催する勉強会です。今回が5回目ということでしたが、私は初参加でした。 主にメディア関係者と医療関係者からなる勉強会です。医療健康情報をめぐっては、WELQ問題のように必ずしも正し…

歩きながらVR体験をするとVR酔いになりにくい

VR体験ではかぶらないといけないHMD(ヘッドマウントディスプレイ)。だいたい数分で耐えられないほど疲れるし、気分が悪くなります。HMDは重いし、酔うし、疲れるのです。(ついでに女性にとっては髪の毛が乱れる、化粧が落ちるという欠点もあります。私は…

勉強会と人狼会

先日KOMADで勉強会と人狼会をやりました。勉強会は、エマちゃんが先月出張してきたIEEE-SEASの報告会。 IEEE “Ethically Aligned Design, Version 1” Workshops in Japan - A report on Attending The IEEE SEAS Conference その後、人狼会をやりました。人…

半歩先

一歩先や二歩先ではだめなんだよね。半歩先じゃないと。 ジャーナリストである友人が言ったそのひとことについて考えている。 彼女が言うのは、多くの人の共感を得て、人を、社会を動かしていく。そのためには、今目先のことではもう遅い、一歩先や二歩先で…

久しぶりに自分のウェブサイトを作った

自分のウェブサイトを作りました。 https://sites.google.com/view/katsuenagakura/ ここ最近いろいろなことに手を出しすぎていて、いったい自分は何をやっているのかなーと最近の活動や、自分の関心に沿って書いた記事を書いだしてみたら、案外一貫性があっ…

情報大航海プロジェクトは情報大後悔プロジェクトだった(のかも)

10年前、経産省の「情報大航海プロジェクト」という研究開発プロジェクトを取材していた。3年間で予算150億円、企業が主体となり研究開発と社会実装を進めるということでまあまあ話題になった。 プロジェクト開始2006年はGoogleが巨大化しつつある時期だ。…

味覚の麻婆豆腐

ランチに新橋の味覚へ。激辛麻婆豆腐が食べたくてずっと行ってみたかったが機会がなく、新橋を通りかかった時にお昼だったのでひとりでふらりと地下の店舗へ。 激辛を頼もうとしたら、「残したら500円追加料金だよ」と言われて、中辛にしました。日和りまし…

第1回AI・人工知能EXPOに行ってきました

いろいろな意味で話題の第1回AI・人工知能EXPOに行ってきました。AI・人工知能って人工知能・人工知能かよ。第何回まで続くんでしょうか。とりあえず来年のブースはほぼ完売していたようなので第2回はあるみたいです。もちろんコンシューマ向けではなく、商…

「信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体」(平和博、朝日新書)

信じてはいけない 民主主義を壊すフェイクニュースの正体 (朝日新書) 作者: 平和博 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/06/13 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 昨年の米大統領選挙で問題となったフェイクニュース。朝日新聞記者の平さん…

人工知能と安全保障技術研究ーその議論の素地を作っていく

日本では安全保障に関連する技術の研究や開発ー「軍事研究」と呼ばれることもあるーについて、イデオロギーなしでフラットに議論ができないものか、っていうか議論したいということを前に書きました。 kaetn.hatenablog.com 同じように感じている人は私の周…

最良の友は犬か猫か

先週の大特集は、犬と猫の特集でした。冒頭のトップストーリーと匿名座談会のページを担当して、記事はウェブでも公開されています。 dot.asahi.com dot.asahi.com 犬か猫か論争はきのこたけのこ戦争並に永遠に噛み合わない論争なので、どちらかの陣営に与す…

辛いもの

また川国志。取材の後に。 情報系研究者は、四川好きが多い。取材のあと、打ち合わせのあと、イベントの懇親会、普通に飲み会・・・。何かにつけて四川を食べに行くのに付いていきます。辛いの好き。 もともと辛いもの好きだったのが幸いして、すっかり中毒。…

社会や経済にとって重要な意志決定の場、または重要な情報共有の場には、若者も女性もいない

特集のために久しぶりに企業取材をしていて、ある会社の株主総会に取材で行ってきました。報道関係者は会場には入れませんが、別室で中継を見ます。最近どこで何の取材をしていても気になることが、ここでも気になったこと。 スーツのおじさん、おじいさんた…

川国志

先週末、川国志へ。唐辛子と中国山椒を、定期的に体が欲します。 魚の水煮 麻婆豆腐激辛中国山椒多め ラーズージー 幸せでした。そして案の定、次の日お腹を壊しました(定例)。

人間をアップデートする

先週、URFCのシンポジウムで稲見先生の講演があるというので、行ってきました。人間拡張工学についての研究の話。 スーパーヒューマンとかネクストヒューマンとかHomo deusとか、言い方はいろいろあるかもしれませんが、テクノロジーによって人間をアップデ…

胸像

とある研究会に参加で初めて訪れる建物へ。トイレを求めてさまよっていたら、廊下の扉を開けると、胸像が目に飛び込んできました。普通に心臓に悪い医学部迷路。

麻辣麺

お昼に麻辣麺を食べました。職場の近くに麻辣麺が美味しいお店があり、お昼に時々来ます。陽気が暑い中、麻辣麺でさらに体が熱くなり、汗だくになりながら、次の打ち合わせへと向かいました。 まーらーめん

早稲田のカフェ

久しぶりに早稲田へ行きました。取材で。 アポとアポの間にケーキとコーヒー昔時々来ていたカフェ アポとアポの間に時間があいたので、数年前に早稲田大で働いていたことがあり、その時に時々来ていたカフェへ行きました。ケーキとコーヒーおいしかった。

こくわがた

本郷でお昼を食べるとなると、よく行くのがこくわがた。立ち食いうどん屋さん。さくっと美味しく食べられるのが好き。ピーク時は並ぶので、ピークをずらしていきます。 きまぐれこくわちゃん。いつも小なのを並にしたらおなかがぱんぱん。

SCHAFTがGoogleからソフトバンクに買収される

ツイッターを見ていたら、ソフトバンクがAlphabet(Googleの親会社)から、ボストン・ダイナミクスを買収するというニュースが流れてきた。 ソフトバンク、Boston Dynamics の買収に合意 ~スマートロボティクス技術の開発促進へ向けたコラボレーションへ~ …

なぜ、イデオロギーなくフラットに軍事研究の議論をできないのか

と、ずっともやもやしています。「軍事研究」っていう単語が適切かどうかはよくわかりませんが、ミスリードになりがちな単語だと思っています。防衛や軍事のための研究開発について、どう考えたらいいのか、よくわかりません。でも話題には上がります。最近…

VRで無限階段を上り下りしてきた

昨日今日と開催中の東大・駒場リサーチキャンパス公開で、廣瀬・谷川・鳴海研の無限階段VR(でよいのかしら?)の体験ができます。 無限階段VRは、HMDを付けて階段を上り下りするのですが、足元に細い棒が等間隔で置かれていて、これを踏みながら歩くことで…

ロボカップはトヨタHSRを観に行くつもり

今年7月に名古屋でロボカップが開かれます。今年から公式ロボになっているトヨタHSRを観に行くつもりです。 RoboCup2017 Nagoya Japan(ロボカップ2017 名古屋世界大会) ロボカップはソニーCSLの北野さんらによって「2050年に人型ロボットでサッカーで世界チ…

なぜ、人工知能と社会とか倫理とかに興味を持って、いろいろと動きまわっているのか?

人工知能学会倫理委員会の委員をやっています。もちろんノーギャラで。何をしているかというと、会議でわいわい話したり、先日の人工知能学会全国大会での公開討論の企画・準備と当日の司会したり、報告書つくったり、サイトのお世話したり。あと、同じく委…

ALifeと池上先生

昨日は駒場で「Generative Ethics and Society:人工知能、人工生命の倫理とそれを取り巻く社会」というイベントを聞きに行ってきました。岡さん、池上先生たちがやっている、ALife labのイベントです。 alifelab.org 倫理はともかく、、、池上先生の「人工…

覚悟あるんですか。逃げてるだけじゃないですか。

覚悟あるんですか。逃げてるだけじゃないですか。 と、一年くらい前、取材に伺ったはずの友人に唐突に言われまして、思いっきり頭を殴られたような気分になりました。そうですか、わたくし逃げていますか。ええ、なんとなくそんな気がしていました。 多分そ…

ワークショップ覚え書き

先日、エマちゃんととあるワークショップを主催しました。ものすごく雑にまとめると、多様な領域のそれぞれの専門家たちがひとつのテーマについて議論をすると、それぞれの認識や意見の相違が浮き彫りになること(建設的な意味で)、またそれぞれの異なる立…

Amazonエコーで遊んで思ったこと

友人の隠れ家?に、amazon echoがあった。 開封。 設定して、深夜。翌朝のアラームセットをしてみた。 Alexa と呼びかけると、echoの筒の上が光る。なお、Alexaはソフトウェア。amazon echoはこの筒状のハードウェアだと理解している。 Alerm set 6:00 at mo…

"Homo Deus : A Brif History of Tomorrow" 翻訳その2

その1に続いて、Homo Deusの雑翻訳中。感染症好きなのでこの段落読むの楽しかった。 Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 作者: Yuval Noah Harari 出版社/メーカー: Vintage 発売日: 2017/03/23 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る I…

"Homo Deus : A Brif History of Tomorrow" 翻訳その1

「サピエンス全史」に続くYuval Noah Harariによる著作「Homo Deus」を読もうとしたら邦訳がなかったので、原書をKindleで購入したのですが、英語が簡単で読みやすいので、せっかくなので訳してみようと思います。 Homo Deus: A Brief History of Tomorrow …

ディストピアと信頼と

昨夜エマちゃんと電話をしていて、 「信頼」が壊れた状態を作り出すことが必要なんじゃないか とエマちゃんが言った。 そもそも、エマちゃんと私がここ半年くらいよく議論しているのが、「今がディストピア」だよね。と言う話。 ディストピア社会とは何か。…

行ってみたいVRレストラン

VRレストランと呼ぶのが適切かどうかはともかく・・・。プロジェクションマッピングなどテクノロジーで五感を刺激して食の楽しみを味わうレストランが最近増えているなーと思ったので、行きたいところをメモ。 ●佐賀牛restaurant Sagaya 銀座 (銀座) tabel…

ハリウッド版攻殻機動隊「ゴースト・イン・ザ・シェル」雑感

だいぶ前に試写で観ました。先週末公開されたので、記憶を手繰り寄せて雑感を。観たのは3D字幕版。 ghostshell.jp まず冒頭の映像がすごい。香港を思わせる猥雑でネオンに彩られた、高層ビルが立ち並ぶ町並み。ビルと同じ高さの舞妓さんなんかがゆらゆら揺…

人工知能および自律システムにおける倫理的考察のためのIEEEグローバル・イニシアティブ「倫理的設計」:人工知能と自律システムによる幸福を優先するためのビジョン

「人工知能(AI)および自律システム(AS)における倫理規定に関するIEEEグローバル・イニシアティブ」はIEEEのプログラムのひとつで、プログラム名通り、AI/ASの「倫理的設計」ビジョン策定を進めている。 IEEEは電気、通信、情報工学などの技術者による専…

トヨタ(製造業偏重でソフト産業軽視の日本の産業構造)をディスりつつエールを送る「ひるね姫」がとても良かった

エンジニア必見のアニメ映画と聞いていた「ひるね姫」。とても良かったです。自動車産業を中心とした日本の産業構造の課題を知った上で観ると、あーあれか、という楽しみ方ができます。 wwws.warnerbros.co.jp 2020年、瀬戸内海に面した岡山県倉敷市のある町…

共感と”あざとさ”

先月、突如としてTwitterのTLが「すっごーい、たーのしー、おもしろーい」に染まった。けものフレンズを観ている友人は少ない。にもかかわらず、Twitterのやりとりに「すっごーい、たーのしー、おもしろーい」が入ってきたのだ。 アニメ、漫画、ゲーム、グッ…

刀削麺はなぜ食べても食べても減らないのか

取材後、辛いものが食べたいと、カメラマンさんとふらりと入った中華屋さん。ランチで最も辛いものはこれ、ということで、刀削麺を食べました。 胡椒と山椒の効きが悪くいまいち。普通においしかったけど。 しかし、刀削麺はなぜ、食べても食べても麺が減ら…

小児科医とVRーテクノロジーが社会に入ってくプロセスについて

小児科医をやっている同級生が、Facebookで以下の記事をシェアしていた。彼女が勤める病院での取り組みだそう。 www3.nhk.or.jp VRなんて単語を知らないままに社会人になり取材で知って早10年。昨年は「VR普及元年」と言われ、PSVRの発売もあって、ゲームを…

アラビア料理とベリーダンス

広尾のアラビアレストランへ。ベリーダンスのショーもありました(金曜土曜の夜)。初めてのアラビア料理、初めてのベリーダンス。美味しかった、楽しかった。シリア人の方がやっているお店だそう。場所柄、外国人のお客さんも多く、日本語よりも英語で話し…

アカデミアにも蔓延する「フェイク」

架空の研究者を作り、360のジャーナルに対して、エディターになりたいむねをメールしてみたところ、48のジャーナルでエディターに、4のジャーナルでチーフエディターに採用された、という実験が、Natureに掲載された。 www.nature.com 科学研究は、専門的な…