人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、取材とか思ったこととかの備忘録

おっさんずラブとアフォーダンス

土曜夜のドラマ「おっさんずラブ」がとてもよかった。リアルタイムで視聴したのは最終回だけ(ウェブであらすじは読んだ)だったが、泣いた。 「おっさんずラブ」は主人公の33歳男性(春田)が55歳男性上司(部長)と25歳男性後輩(牧)から告白されることか…

ブラックペアンと多体問題

「ブラックペアン観てる?あれはいいよ、観てみなさい」 ずっと借りていたガンダムのDVDとブルーレイを返しに某研究室に寄ったら、たまたま某先生が在室されていたので、ご挨拶に伺ったら、ブラックペアンを薦められた。医療関係者界隈では話題になっている…

Oculus Goを買った

寝転がって映画を観るためにOculus Goを買った。結論から言うと、約10分使って一晩考えて、手放すことを決めた。私がOculus Goを買ったのは、普段はMac bookで観ている動画を観るためで、つまりPCのディスプレイとオーディオの代替品としてOculus Goを位置付…

記者と主観と客観と

新卒で入った新聞社で、記者クラブで色々と教えてくれた他部署の師匠が、時々「語る会」を主催している。ただの飲み会だが、参加者は師匠が仕事のなかで出会った人たちで、「医療」をキーワードに業種も職種もさまざまだ。 私が「語る会」に最初に参加をした…

ワイヤレスイヤホン

少し前に有楽町のビックカメラでワイヤレスイヤホンを買った。先日発売になった、耳を塞がないタイプのフルワイヤレスイヤホンが気になっていたのだが、首からかけるタイプのワイヤレスイヤホンを購入した。 iPhoneユーザだが、ちぎれたうどんが耳から出てい…

プロジェクションマッピングレストラン

先日、Hさんに招集されてプロジェクションマッピングレストランへ行ってきた。招集された6人は私以外は研究者、クリエイターで、オーナーの休日に研究会としてコースを提供していただいた。 創作フレンチというのかしら。一皿ごと出てくるたびに、プロジェク…

TOHO上野でレディ・プレイヤー1を観てきた

少し前に、上野に映画館ができた。上野、というより正確には御徒町だ。空いている、という理由で時々、ここにひとりで映画を観に来る。 近未来のVRがテーマだという「レディ・プレイヤー1」は、私のTwitterのTLではずいぶん前から、試写を観た方たちが推し…

実世界AI研究のわけー人工的に作られた”問題”を”手段”に押し込めようとしたことで、AI冬の時代が引き起こされた

科学者は、「役に立つ研究」という言い方を嫌う人が多いようだ。でも、科学研究は現実の社会課題の対応になるものだ。 先月、理研AIPセンターのシンポジウムであった、カーネギーメロン大学教授の金出武雄先生の講演では、「実世界AI研究」として、現実の社…

他者の心の状態を推測するニューラルネットワーク

他者の心の状態を推測する心の機能が「心の理論」だ。DeepMindの研究者らは、「心の理論」を再現するニューラルネットワークのモデルを作ったと論文をarXivで公開している。このモデルで、他者の心の状態を推測の可否を判別する「サリーとアン課題」を解くこ…

ツールを使うことによる人の変化を設計する

Googleホームとかamazonエコーとかを使い出すと、機械が認識しやすいように話すようになる。Google翻訳を多用する友人は、Google翻訳が翻訳しやすいように日本語を書くようになると言っていた。 音声認識も自動翻訳も、便利なツールだ。でも、ツールは融通が…

人工知能(AI)の射程とブームのゆくえ

人工知能(AI)ブームももう4−5年経っていますがそろそろ失速するんでしょうか。以前、日経・読売・朝日・毎日のそれぞれについて「人工知能」でキーワード検索(見出し、本文)をして引っかかった記事数の2010〜17年の推移を調べたことがあります。4紙中…

人工知能に関わるISO/IEC JTC 1国際標準化が始まるそうで

人工知能に関わる国際標準化がスタートするけど日本から意見をインプットするので検討メンバーを募集します、というプレスリリースが情報処理学会から1/10にありました。 人工知能に関わる国際標準化がスタート-情報処理学会 ISOの中でもITの関わる国際標準…

ITは無色透明な空気になり、社会に浸透する

イケイケドンドンの時代は良かったよな。 ってデスクが言ったのはすでに10年前のことだ。新しいテクノロジー、特にITの開発もののニュース記事を書くのが、難しい時代になったな、と思う。先端技術の開発や研究成果によって明るい未来を約束するといった文脈…

テンセントが注目する、世界のAIやロボットをめぐる法的、経済的、社会的、倫理的な課題についての議論

人工知能(AI)ブームの中でもここ1−2年は、AI導入の大きなカギとなる法的、経済的、社会的、倫理的な課題についての議論が、世界中で進んでいます。中でも昨年は、それらの議論がまとまって報告書や法案などの具体的な形で相次いで公開されました。そこで…

2017年振り返り

今年の振り返り。テクノロジーもの中心に、書いた記事の中で印象に残っているものをいくつか。所属先のAERAがほとんどですが、たまにほかでも書いていました。(AERAは雑誌の記事を切り刻んでウェブに載せていて、一応リンク貼っていますが、雑誌では大特集…

テレイグジスタンス型ヒューマノイドロボットが楽しい

今年はテレイグジスタンス型ヒューマノイドロボットをたくさん見かけた年でした。テレイグジスタンスというのは舘先生が30年位前に提唱された概念ですが、離れた場所にいる人(マスター)と同じ動きを、ロボット(スレーブ)が再現するというロボットの操縦…

いわゆる「人工知能」研究者コミュニティの分類

一昨日の人工知能学会合同研究会での杉山先生の招待講演はほぼ一般向けの内容だったが、いわゆる「人工知能」研究者コミュニティの分類が整理されていてわかりやすかった。「人工知能」研究者、というと日本では人工知能学会が代表のように言われるが、機械…

内閣府ImPACTの誇大広告広報と量子コンピュータの話

内閣府ImPACTの誇大広告広報の甚だしさは折り紙つきで、山川プログラムと明治の「高カカオチョコレートで脳若返り」のプレスリリースの時に日経の遠藤さんを始めとして問題視する声が相次ぎ、ImPACT自体でもプログラムの検証に入ったことも記憶に新しいとこ…

コミュニケーションの未来はVR

2016年は「VR普及元年」といわれるけれど、2017年は「コミュニケーションVR元年」だと勝手に思っている。昨年来製品販売が相次ぐ、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とコントローラーといったシステムをVRと呼ぶのなら、それらをネットワークに接続して人同…

専門家と非専門家がひとつの目的に向かって一緒にわいわいするといいことあるよ

専門家と非専門家がひとつの目的に向かって一緒にわいわいするといいことあるよ っていうことを、AI研究者の方たちに伝えたくて、今月の人工知能学会誌の小特集「マスメディアから見た人工知能」に「マスメディアから見た“AI”と専門家から見た“AI”のギャップ…

人間関係をあたたかくするVR体験型パフォーマンス「Neighbor」

男女ペアでHMDをかぶって体験する、体験型パフォーマンスの「Neighbor」が、昨日と今日、ICC(東京・初台)で体験ができます。 www.ntticc.or.jp 前日の内覧会で体験、取材させてもらって記事を書きました。少しでも多くの人に体験してもらいたいと思ったか…

「ブレードランナー2049」雑感 (ネタバレあり)

めっちゃ良かった。 映画『ブレードランナー2049』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ 1983年の「ブレードランナー」はDVDで観たし、ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」もKindleで読んだくらいの一般教養程度の知識で、それ以外今作…

DCEXPOでVRを体験する

今年もデジタルコンテンツエキスポ(DCEXPO)が昨日から3日間開催されています。 経産省などが主催するDCEXPOは、イベントや展示会が多い秋でも終盤に開催されますが、CEATECなど他のビジネス系イベントと比べるとゆるめで比較的来客が少ないため、ここ1年…

東京モーターショーに見るVR

東京モーターショーが、明後日から5日まで開催される。今日と明日はプレスデーで、行ってきました。 www.tokyo-motorshow.com 各社、EVとAIが目立つ出展でした。ところで、展示手法としてVRがもはや定番化してきていたのが興味深かった。 まず、モビリティ…

岩井俊雄さんとメディアアートとテクノロジーと

岩井俊雄さんがICCで9年ぶりに講演をするというので、ICCへ。ICC20周年記念シンポジウム「メディア・アートの源流とその変遷 メディア・アートとICCの20年」を聞きに行きました。 www.ntticc.or.jp 岩井さんは絵本作家として人気だけれど、私以上の世代の人…

「わたしを離さないで」はディストピアSFだ

カズオ・イシグロさんが、ノーベル文学賞を受賞した。これまでに「日の名残り」も読んだが、7年前に初めて読んだ「わたしを離さないで」は強烈だった。 わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発…

第1回肉肉学会カンファレンス雑感

元農水省の原田さん、格之進の千葉さん、稲見先生、江渡さんらによる肉肉学会主催の第1回肉肉学会カンファレンスが昨日駒場で開かれました。格之進での講義の後に試食をする肉肉学会にはこれまで伺ったことがありますが、今回のカンファレンスは講演、アン…

展示物すべてが”フェイク”?「クローン文化財」のシルクロード企画展がとてもよかった

昨日から藝大で開催されているシルクロード特別企画展「素心伝心」は、展示物のすべてが失われた文化財を複製した「クローン文化財」で構成される展覧会だ。 バーミヤン石窟を始めとして、シルクロードの仏教文化財の中には、近年の紛争など失われたものが少…

他人とわかりあうことなんてできないけれど、だからどうしたというのか

帰宅途中の山手線で、「なるほど」とか「そうですね」とか「わかります」とか相槌を打ちながら、コミュニケーションについて議論をしていた。 「でも、他人とわかり合うことなんてできないんですよ」と相手は言い、「はい、今私は『なるほど』と相槌を打って…

消費ではなく生産を

「『人をダメにするソファ』ってありますよね。僕らはそうじゃなくて、消費ではなくて、生産する道具をつくりたくて」 と、先日あるイベントでメーカーの方が仰った。消費者が消費をするのではなく、消費者が生産するプロダクト、って矛盾しているようだけれ…