人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、取材とか思ったこととかの備忘録

テレイグジスタンス型ヒューマノイドロボットが楽しい

今年はテレイグジスタンス型ヒューマノイドロボットをたくさん見かけた年でした。テレイグジスタンスというのは舘先生が30年位前に提唱された概念ですが、離れた場所にいる人(マスター)と同じ動きを、ロボット(スレーブ)が再現するというロボットの操縦…

いわゆる「人工知能」研究者コミュニティの分類

一昨日の人工知能学会合同研究会での杉山先生の招待講演はほぼ一般向けの内容だったが、いわゆる「人工知能」研究者コミュニティの分類が整理されていてわかりやすかった。「人工知能」研究者、というと日本では人工知能学会が代表のように言われるが、機械…

内閣府ImPACTの誇大広告広報と量子コンピュータの話

内閣府ImPACTの誇大広告広報の甚だしさは折り紙つきで、山川プログラムと明治の「高カカオチョコレートで脳若返り」のプレスリリースの時に日経の遠藤さんを始めとして問題視する声が相次ぎ、ImPACT自体でもプログラムの検証に入ったことも記憶に新しいとこ…

コミュニケーションの未来はVR

2016年は「VR普及元年」といわれるけれど、2017年は「コミュニケーションVR元年」だと勝手に思っている。昨年来製品販売が相次ぐ、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)とコントローラーといったシステムをVRと呼ぶのなら、それらをネットワークに接続して人同…

専門家と非専門家がひとつの目的に向かって一緒にわいわいするといいことあるよ

専門家と非専門家がひとつの目的に向かって一緒にわいわいするといいことあるよ っていうことを、AI研究者の方たちに伝えたくて、今月の人工知能学会誌の小特集「マスメディアから見た人工知能」に「マスメディアから見た“AI”と専門家から見た“AI”のギャップ…

人間関係をあたたかくするVR体験型パフォーマンス「Neighbor」

男女ペアでHMDをかぶって体験する、体験型パフォーマンスの「Neighbor」が、昨日と今日、ICC(東京・初台)で体験ができます。 www.ntticc.or.jp 前日の内覧会で体験、取材させてもらって記事を書きました。少しでも多くの人に体験してもらいたいと思ったか…

「ブレードランナー2049」雑感 (ネタバレあり)

めっちゃ良かった。 映画『ブレードランナー2049』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ 1983年の「ブレードランナー」はDVDで観たし、ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」もKindleで読んだくらいの一般教養程度の知識で、それ以外今作…

DCEXPOでVRを体験する

今年もデジタルコンテンツエキスポ(DCEXPO)が昨日から3日間開催されています。 経産省などが主催するDCEXPOは、イベントや展示会が多い秋でも終盤に開催されますが、CEATECなど他のビジネス系イベントと比べるとゆるめで比較的来客が少ないため、ここ1年…

東京モーターショーに見るVR

東京モーターショーが、明後日から5日まで開催される。今日と明日はプレスデーで、行ってきました。 www.tokyo-motorshow.com 各社、EVとAIが目立つ出展でした。ところで、展示手法としてVRがもはや定番化してきていたのが興味深かった。 まず、モビリティ…

岩井俊雄さんとメディアアートとテクノロジーと

岩井俊雄さんがICCで9年ぶりに講演をするというので、ICCへ。ICC20周年記念シンポジウム「メディア・アートの源流とその変遷 メディア・アートとICCの20年」を聞きに行きました。 www.ntticc.or.jp 岩井さんは絵本作家として人気だけれど、私以上の世代の人…

「わたしを離さないで」はディストピアSFだ

カズオ・イシグロさんが、ノーベル文学賞を受賞した。これまでに「日の名残り」も読んだが、7年前に初めて読んだ「わたしを離さないで」は強烈だった。 わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発…

第1回肉肉学会カンファレンス雑感

元農水省の原田さん、格之進の千葉さん、稲見先生、江渡さんらによる肉肉学会主催の第1回肉肉学会カンファレンスが昨日駒場で開かれました。格之進での講義の後に試食をする肉肉学会にはこれまで伺ったことがありますが、今回のカンファレンスは講演、アン…

展示物すべてが”フェイク”?「クローン文化財」のシルクロード企画展がとてもよかった

昨日から藝大で開催されているシルクロード特別企画展「素心伝心」は、展示物のすべてが失われた文化財を複製した「クローン文化財」で構成される展覧会だ。 バーミヤン石窟を始めとして、シルクロードの仏教文化財の中には、近年の紛争など失われたものが少…

他人とわかりあうことなんてできないけれど、だからどうしたというのか

帰宅途中の山手線で、「なるほど」とか「そうですね」とか「わかります」とか相槌を打ちながら、コミュニケーションについて議論をしていた。 「でも、他人とわかり合うことなんてできないんですよ」と相手は言い、「はい、今私は『なるほど』と相槌を打って…

消費ではなく生産を

「『人をダメにするソファ』ってありますよね。僕らはそうじゃなくて、消費ではなくて、生産する道具をつくりたくて」 と、先日あるイベントでメーカーの方が仰った。消費者が消費をするのではなく、消費者が生産するプロダクト、って矛盾しているようだけれ…

銀座の日産クロッシングでカタログVR

昨年、銀座の4丁目交差点に新しくオープンしたギンザプレイス1−2Fにある日産のショールーム、ニッサンクロッシングは、個人的にVR活用の定点観測スポットのひとつにしている。2Fのオープンなスペースでは、VRコンテンツが体験できるから。以前行った時は…

人はAIの指示に従って、たとえ自身に不利であってもそれを選択する

ドライブ中、AIがこの道へ行くように指示をしたら、たとえそれが合理的には不利な選択肢だったとしても人はそれを選択するか?これをゲーム画面で実験してみると、多くの人はAIの指示通りに不利な選択肢を選ぶという実験結果が、先週のFITでの発表であった。…

AIの定義

先日、某政府機関によるAIベンチャー企業への助成事業の発表があった。採択されたのは音声認識とか、診療科推論とか、監視カメラシステムなど。話を聞くにつれて、AIベンチャーというけれど、同じ人たちを数年前まではITベンチャー企業って呼んでいたし、や…

仮想通貨バブルと分類

先週は12日にJPモルガンCEOが「ビットコインは詐欺」と発言したことでビットコインの価格は暴落した。その前にも中国のCIO禁止とか仮想通貨取引所閉鎖と言った報道を受けて下がっていた所で、9月初めには1BTC55万円くらいまでに上がっていたのが、一時期32…

AIについて語るということ

AIブームはともかく、人はAIについて語りたいようだ。だいぶ前に、AI研究者某M氏が「AIマインドがない人はAI研究者ではない。AIマインドとは、AIについていかに深く語ったかどうかだ」と仰っていて、はあ、とよくわからなかったんですが、何となく分かるよう…

「いつかティファニーで朝食を」(マキヒロチ)

アラサー、女、東京で働く、独身。美味しい朝食が好き。そんな彼女たちの仕事や恋や人生が、美味しい朝食とともに描かれるのが「いつかティファニーで朝食を」という漫画。実在するお店の朝食が紹介され、コミックの最後には店舗紹介や朝時間.jpの朝食レシピ…

ビットコイン使用で得た利益は「雑所得」

仮想通貨のビットコインの使用によって生じた利益は所得税の対象となり、雑所得に区分されるとの見解を国税庁がしました。 No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係|所得税|国税庁 ビットコイン価格は昨年9月には6万円程度…

ディープラーニングの教科書の日本語訳がウェブで無償公開

ディープラーニング(深層学習)の教科書「Deep Learning」の日本語翻訳版が、オンラインで無償公開されています。翻訳は、東大松尾研究室のメンバーが行った。翻訳したのは「Deep Learning」(An MIT Press book, Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, and Aaron…

Peace Tech という考え方

テクノロジーは平和にも戦争にも使われる。歴史を振り返ってみれば、テクノロジーは戦争によって進展してきた。インターネット、コンピュータ、GPSなど今普通に使われている多くのテクノロジーの多くは、戦争のための軍事予算によって開発が進展した。そのテ…

変わるロボットの概念

金出先生の講演 先日行ってきた経産省とNEDOのイベントでの、カーネギーメロン大学教授の金出武雄先生の講演がおもしろかった。内容もさることながら、先生ご自身が本当に楽しんで研究をされているということが伝わってくる、わくわくとさせられる講演だった…

botはいかにして集団の全体最適をもたらすか

少し前にNatureに載ったこの論文が好きです。 www.natureasia.com アダム・スミスは国富論の中で、投資家が自らの利益を追求して振る舞うことで、市場全体が最適化される、「見えざる手」を説きました。ただし、人間社会全体においては、個人が(自らの利益…

「仮想通貨とブロックチェーン」(木ノ内敏久、日本経済新聞出版社)

著者は日経新聞産業部や経済解説部での記者、日本経済研究センター研究員などを経て、経営論などが専門の日経新聞シニア・エディター。貨幣の概念から、仮想通貨の解説、ビットコインの現状、それを支えるブロックチェーンの仕組みまで、わかりやすくまとま…

科学技術に「夢」はあるか

量子コンピュータの記事について、友人(科学部の記者)とツイッターでやりとりをしていて、実用化がまだ遠いという点での量子コンピュータに、未来物語として夢があると彼は言う。 一方で私は、D-waveのようにすでに商用化されている流れでの量子コンピュー…

「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」(山本一成、ダイヤモンド社)

今年4月、5月に開催されたコンピュータ将棋とプロ棋士による対局「電王戦」で、佐藤天彦名人を破ったのがコンピュータ将棋「ポナンザ」だ。そのポナンザを10年にわたり開発してきた山本一成さんが、将棋とAI、囲碁とAI、人間とAI、また倫理観まで語ったの…

教師データなしでビデオ映像から学習するAIをディープマインドが開発

ディープマインドは、教師データなしでビデオ映像をもとに自動的に学習をするAIを開発した。というニュースがニュー・サイエンティストに載っています。 DeepMind AI teaches itself about the world by watching videos | New Scientist 一般に、機械学習で…