備忘録

テクノロジーと人間

テクノロジー

なぜ、イデオロギーなくフラットに軍事研究の議論をできないのか

と、ずっともやもやしています。「軍事研究」っていう単語が適切かどうかはよくわかりませんが、ミスリードになりがちな単語だと思っています。防衛や軍事のための研究開発について、どう考えたらいいのか、よくわかりません。でも話題には上がります。最近…

VRで無限階段を上り下りしてきた

昨日今日と開催中の東大・駒場リサーチキャンパス公開で、廣瀬・谷川・鳴海研の無限階段VR(でよいのかしら?)の体験ができます。 無限階段VRは、HMDを付けて階段を上り下りするのですが、足元に細い棒が等間隔で置かれていて、これを踏みながら歩くことで…

ALifeと池上先生

昨日は駒場で「Generative Ethics and Society:人工知能、人工生命の倫理とそれを取り巻く社会」というイベントを聞きに行ってきました。岡さん、池上先生たちがやっている、ALife labのイベントです。 alifelab.org 倫理はともかく、、、池上先生の「人工…

ワークショップ覚え書き

先日、エマちゃんととあるワークショップを主催しました。ものすごく雑にまとめると、多様な領域のそれぞれの専門家たちがひとつのテーマについて議論をすると、それぞれの認識や意見の相違が浮き彫りになること(建設的な意味で)、またそれぞれの異なる立…

Amazonエコーで遊んで思ったこと

友人の隠れ家?に、amazon echoがあった。 開封。 設定して、深夜。翌朝のアラームセットをしてみた。 Alexa と呼びかけると、echoの筒の上が光る。なお、Alexaはソフトウェア。amazon echoはこの筒状のハードウェアだと理解している。 Alerm set 6:00 at mo…

ハリウッド版攻殻機動隊「ゴースト・イン・ザ・シェル」雑感

だいぶ前に試写で観ました。先週末公開されたので、記憶を手繰り寄せて雑感を。観たのは3D字幕版。 ghostshell.jp まず冒頭の映像がすごい。香港を思わせる猥雑でネオンに彩られた、高層ビルが立ち並ぶ町並み。ビルと同じ高さの舞妓さんなんかがゆらゆら揺…

人工知能および自律システムにおける倫理的考察のためのIEEEグローバル・イニシアティブ「倫理的設計」:人工知能と自律システムによる幸福を優先するためのビジョン

「人工知能(AI)および自律システム(AS)における倫理規定に関するIEEEグローバル・イニシアティブ」はIEEEのプログラムのひとつで、プログラム名通り、AI/ASの「倫理的設計」ビジョン策定を進めている。 IEEEは電気、通信、情報工学などの技術者による専…

小児科医とVRーテクノロジーが社会に入ってくプロセスについて

小児科医をやっている同級生が、Facebookで以下の記事をシェアしていた。彼女が勤める病院での取り組みだそう。 www3.nhk.or.jp VRなんて単語を知らないままに社会人になり取材で知って早10年。昨年は「VR普及元年」と言われ、PSVRの発売もあって、ゲームを…

AmazonPrimeで最近観た映画

AmazonPrimeで最近観た映画。AmazonPrime便利です。 ●科学者と戦争の関連が興味深い イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 [DVD] 出版社/メーカー: ギャガ 発売日: 2016/12/02 メディア: DVD この商品を含むブログを見る 天才数学者、チューリ…

本質的なもの

文化庁メディア芸術祭の受賞作品・受賞者の発表がありました。エンターテイメント部門には、鳴海さんたちのunlimited corridorとあぱぱさんのno salt restaurantも選ばれていて、審査委員の東泉さんがエンタメ部門の講評で、まずこの2つに触れて、 「テクノ…

インターネットの父の憂い

「インターネットの父」ティム・バーナーズ=リーの講演に行ってきました。慶應大から栄誉博士号を受けるということで、昨日、その記念講演会があった。 ティム・バーナーズ=リーはCERNにいたときにWorld Wide Web(WWW)を考案し、ハイパーテキストシステム…

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

ナチス・ドイツのエニグマによる暗号の解読を進めた英軍でのアラン・チューリングのストーリーを描いた「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」を観ました。AmazonPrimeで無料だったから。もう2年前の公開なのね。 イミテーション・ゲーム/…

技術なくってよし、を選べるのかどうか

研究者や技術者の取材をここ10年近く続けている。研究者も技術者も、テクノロジーによって課題解決をする。逆に言うと、その課題解決にたとえテクノロジーが必要ないとしても、あえてテクノロジーを適用する傾向があるということなのではないのかしら。 テク…

この複雑な世界を複雑なまま生きることは果たして可能か

鈴木健さんを知ったのはたぶんPICSYで、そのあと「なめらかな社会とその敵」を読んでドハマリした。スマートニュースのアプリは知っていたけれど、その経営者だと知ったのはそのあとだった。 なめらかな社会とその敵 作者: 鈴木健 出版社/メーカー: 勁草書房…

LIVING LAB HONGO

CABINはみこしだった。みんながそこに集まった。 っていう話を、CABINが撤去される直前に開かれた「さよならCABIN」といういうイベントで先生方が仰っていたのが忘れられない。 CABINは部屋の5面がディスプレイになっている没入型ディスプレイで、1990年台…

ディストピア化する社会とテクノロジー

先週号で、ディストピア小説の記事を書いた。 toyokeizai.net 去年末あたりから「ディストピア」についてEちゃんとよく議論をしていて、その議論の参考にとディストピア小説をよく読んでいた。ディストピア小説とは、ユートピアを目指していたはずなのにいつ…

ノーベル・プライズ・ダイアログ東京2017から

ノーベル・プライズ・ダイアログ東京2017と題した、5人のノーベル賞受賞研究者ら国内外の著名研究者らによる講演会が今日、東京国際フォーラムで開催された。テーマは「知の未来〜人類の知が切り拓く人工知能と未来社会〜」。正直なところ、人工知能をテー…

めんどくさい、は実はおもしろい、だったりする

この前の◯◯さん(上司)、なんだったの、めんどくさい。 と同僚が言い、私は何のことか、思い当たらなかった。私にとっては記憶に残るほどめんどくさいことでもなく、重要なことでもなく、サラッとその場で聞き流して忘れてしまう程度のことだったんだろう。…

WIREDの科学特集についてもやもやしている友達に話すことの整理

WIRED最新号の特集は「サイエンスのゆくえ」。 wired.jp 村上陽一郎さんの寄稿を始めとして、科学哲学の色が濃い特集だ。これを読んだKさんがもやもやと感じていることをインスタでメンションをくれたので、今度会うときに彼女に話したいことを整理しようと…

ナビゲーションに地図はいらない

仕事がら、初めて訪れる場所へ行くことが多い。iPhoneのグーグルマップで目的地を検索して、iPhoneを見ながら目的地まで向かう。 正直、めんどうだ。いや、一昔前は地図をプリントアウトしてそれを持ち歩いて見ていたから、当時と比べたらプリントアウトを事…

「倫理」ブームと、「そもそも」から考えるということ

なんだか一部界隈で、「科学技術と倫理」というお題目がブームになっている。ここで言う「倫理」は、生命倫理、環境倫理、情報倫理のいわゆる応用倫理とは少し異なるように見える。倫理、といってもESLI(ethical social legal issue)全般を含む。もっと言…

「安心して炎上できる場」をつくる

「安心して炎上できる場」をつくりたい、という話を去年の夏くらいからEちゃんと話してきた。で、その議論から出てきたプロジェクトが、年明けから動き出した。 私にとってのきっかけはある研究者の研究。3年近く前、その研究の話を聞いて、2年半前に記事…

ITと世界の分断、拡大する格差

最先端のITを理解して活用し、その恩恵を受ける人は、世界のわずかの人々なのだ、と彼女は言った。その資格を得られる人は、経済的にも文化的にも豊かな人々で、新しいテクノロジーを受け入れ、使いこなすだけの「リテラシー」を持つ。そりゃそうだ、1000万…

紅白歌合戦2016ーPerfumeのダイナミックVRは次のVRの流れを作るか?

紅白歌合戦の楽しみは、演出のテクノロジー。テクノロジーの流行が反映されています。毎年楽しみなのがRhizomaticksが演出を手がけるPerfume。今回は「ダイナミックVR」と言うキーワードが。 床面と背面の2方面がディスプレイになっていて、そこでパフォー…

ネクストVRを探しにVR学会へ行ってきた

14〜16日につくばで開催された日本バーチャルリアリティ学会(VR学会)へ行ってきた。 世間はVRブームで、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の発売が相次いでいることもあり、今年はVR普及元年とも言われている。今言われているVRは、HMDを付けて体験するも…

VRアミューズメント施設のVRゾーンへ行ってきた

お台場はダイバーシティにある、バンダイナムコが期間限定で設置している「VRゾーン」へ行ってきた。VRを体験できる場所はイベントなどであまたあれど、「お金を取って」アミューズメント施設として提供しているところはまだ少ないだろう。 VRゾーンへ行くに…

VRメディアが(いつの間にか)たくさんできていた

メディアから社会の流行り廃れを感じ取れる。VRについて言えば、ウェブメディアのMoguraVRとPANORAは前から見ていたが、いつの間にか雨後の筍のようにVRメディアが増えていたようだ。リクルート主催のTECH LAB PAAK主催のイベント「VRメデイアサミット」では…

ファッション×テクノロジーが気になっている

ファッションをずっと取材しているOさんは、ファッションの取材を通じて社会の動きを見たいと言う。去年くらいから、「ファッションテック」というキーワードを聞くようになった。ファッションとテクノロジーを組み合わせた造語で、レガシーなファッションの…

ポケモンGOを3日間やってみた

Tech crunchのリーク報道で水曜に日本リリースといわれたポケモンGO。公式が何も言っていないのに勝手に「延期」されたことになっていたが、金曜にようやくリリースされた。Twitterが騒がしくてリリースを知り(当初はAndroidのみ)、その後iPhoneでもリリー…

嗜癖の研究

じょんひょんさんに誘われて行ってきた、鈴木さんの個展「ムダなルール」がおもしろかった。 何年ぶりかに通ったキャットストリートからくねくね道に入って、若いねー、おしゃれだねー、と年寄りじみた会話をしながら展示会場まで道に迷った所で、鈴木さんに…

フィルターバブルの中を生きている

中立公平だとか、メタにものごとを見ているとか言ったって、私たちは常にフィルターバブルの中を生きている。「フィルターバブル」は、ネット検索などでアルゴリズムが最適化された結果、自分に近い、潜在的に望む情報にしかリーチできなくなり、あたかもフ…

科学技術研究のデュアルユース

科学技術を取材する立場からここ数年の大きなアジェンダのひとつが、科学技術研究の民生利用と軍事利用のデュアルユース(両義性)だ。いくつかあるが、大きく注目をあつめるきっかけとなったのが、昨年度から防衛省が始めた、大学などのアカデミアの研究を…

「電脳コイル」の世界を実現するHoloLensはミライを感じるけれど初心者にはまだ難しかった

ネットで記事を見かけるたびに、やりたいやりたいとつぶやいていた、マイクロソフトのHoloLens。先日、ひょんなところで偶然体験できたのでメモ。ミクミンPさんに感謝です。 HoloLensはARゴーグルだ。ドラゴンボールのスカウターのようなものだ。ヘッドマウ…

動運転車の社会的ジレンマ

週末に、NatureやScienceの編集記事、IEEE Spectrumなど海外の研究開発のニュースサイトを見る。ざっくりみていて、自動運転車の話題が多かったなあと。今週のScienceで紹介されている研究紹介記事のざっくり翻訳と動画です。 元記事はWhen is it OK for our…

VRと個人情報

Twitterで流れてきた、VRと個人情報の取得とその影響に警鐘を鳴らす、スタンフォードの記事を、なんとなく訳してみた。 元記事はFCC chairman visits Stanford for virtual reality lesson FCC議長がバーチャルリアリティの講義のためにスタンフォードを訪れ…

科学には解けない問題

去年、中国の研究者らが、ヒト受精卵にゲノム編集を施したことが話題になった。その時にNatureにジャーナリストが書いた記事を去年訳したのが出てきたので、以下に貼り付けた。なお、元記事のタイトルにある「CRISPR」は「CRISPR/Cas9」システムに代表される…

ゲノム編集でがん治療の治験へ、NIHが初承認

狙った遺伝子を簡単に改変できる技術が「ゲノム編集」だ。ここ数年で急速に広まっている。そのゲノム編集を、人の病気の治療に使う初めての臨床試験が、米国で始まる。がんの治療として、本来人が持っている免疫を活用するがんの免疫療法として、米NIHが臨床…

VRとクロスモーダルとサイバネティックスシミュレーション

日本バーチャルリアリティ(VR)学会という学会がある。記者になった1年目に科学技術部の所属で、当初担当だったバイオからITに担当が変わってすぐのときに、ひょんなところから、VR学会の中心人物である廣瀬先生の取材に伺って以来、どういうわけかここ10…

錯覚を活用して人の感情を操作する

今朝、NHKをつけたら錯覚を活用する特集をやっていた。「サキどり」という番組。鳴海さんたちの「扇情的な鏡」やあぱぱさんの「電気味覚フォーク」も出ていて、番組の最後で、あぱぱさんは「錯覚を利用して幸せになるのもよいのではないでしょうか」と言う。…

鍵盤を叩く自分の指が伸び縮みするような錯覚が起きる「えくす手」

東大・廣瀬研M2のなみちゃんの作品「えくす手」は、表示する映像で見た目を変えることで、鍵盤を弾いている手があたかも伸びたり縮んだりするかのような体験ができる。 半年前に東大の制作展で体験したときは、映像の視覚効果だけだったが、あたかも本当に自…

ドローンって今どうなの?

ドローンって今どうなの?と知り合いのビジネス誌編集者に聞かれて話したこと。 ドローンがブレイク?したのは、昨春の官邸ドローン事件だ。その後メディアではドローンの報道が相次ぎ、トントン拍子で航空法改正にいたった。 が、その一方で、ビジネスとし…

人工知能(AI)とバーチャルリアリティ(VR)の関係

AIが流行っている。VRも流行っている。少なくとも、情報系の業界内では。でもこの両者、関係ないそれぞれ独立のテクノロジーと独立の文脈での流行りのように見えるけれど、実は大きく関連しているみたいだ。 AIはコンピュータが人の知能のような振る舞いをす…

4DのVRジェットコースターで酔った

丸の内KITTEの1FのGaraxy特設ブースで、VRヘッドマウントディスプレイのGear VRを使ったVR体験が6月8日まで無料で体験できる。行ってきた。 体験できるコンテンツは、可動式シート(いわゆる4D)を使ったジェットコースター体験と、可動式のボードに乗っ…

世界の見方が変わるVR

VRが流行っている、と言われている。VRの体験と言うと、ヘッドマウントディスプレイ(HMD、最近ではVRヘッドセットとか単にVRとか呼ばれているみたいだけれど)を被って体験する、現実にあるものを映像で再現するという体験を指すことが多い。 VRでおもしろ…

自閉症スペクトラムの視覚世界を体験するVR

自閉症スペクトラム(ASD、広汎性発達障害)は発達障害の一種で、対人交流とコミュニケーションが苦手で、自分の関心やペースを優先させがちなのが特徴だ。自閉症やアスペルガー症候群などもここに含む。 ASDは社会性の障害と言われるが、最近の研究では、知…

五月祭はロボットを楽しんだ

東大の五月祭が昨日と今日開催中だ。近所の本郷キャンパスで開催されているが、混雑とリア充が苦手なので、あえて近づかない。母校の北大では6月に楡陵祭という学祭があったが、勝手に参加放棄をして旅行とかに行っていたっけ。でも、昨日は五月祭に行って…

大「情動」のシンポジウムで、VRから情動の、廣瀬先生の話を聞く

調べ物をしていて東大の産学連携のサイトを見ていたら「情動」の二文字が。「第26回科学技術交流フォーラム 情動ー人の感性を科学するー」と言うイベントでした。ここのイベントとしては珍しく満員御礼で座席数の多い会場に移すほどの大人気ということでした…

FOVE小島さんが作りたいゲームコンテンツがおもしろい

先日、Tokyo VR Meetupで、FOVE代表取締役の小島さんが語っていた、こういうのがやりたいというコンテンツの話、もっと聞きたかった。 FOVEで進めたいジャンルがあって、「アンコンシャス・インタラクション」というのを押して行きたい。ユーザーは何かを意…

人工知能の活用と人間の尊厳

中高の6年間を過ごした女子校はミッションスクールで、校訓は「人間の尊厳のために(HOMINIS DIGNITATI)」だった。「人間機械論 人間の人間的な利用」(原題:THE HUMAN USE OF HUMAN BEINGS)を再読して、この奇妙なタイトルの意味することがようやく腑に…

AIとかIoTとか本気で取り組むなら、社会経済構造と働き方を大きく変える必要がある

「『副業禁止の禁止』を政府にはぜひお願いしたい。副業禁止規定を持っている会社が禁止となると、かなりの優秀な人材が活躍できるようになる。今はものすごく優秀な人材を大企業が絞め殺していて、気付くと他の会社では使えない人材となっている。そもそも…