人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、人と話したり、議論したり、思ったりしたことの備忘録

ロボット

「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命ーー人は明日どう生きるのか」メモ

不快感がない、おしゃれ、ハイソできれいな未来が詰まっている。全体的にそんな印象を受けた。内覧会で観たから、会場にいる人たちもおしゃれでハイソな雰囲気をまとっていて、余計にそう感じたのかもしれない。 www.mori.art.museum 展示は、「都市の新たな…

かわいいロボットは市場を形成するか

取材でロボットは見慣れているし、「かわいいロボット」という子供だましも見慣れている。理屈の上ではそのとおりだが、感情としてはやはり、「かわいいロボット」は強い。 GWにエマちゃんたちとひでまんの実験室にお邪魔した。その実験室は、部屋の四面をプ…

アルスエレクトロニカと東京ミッドタウンによる「未来の学校祭」

アルスエレクトロニカと東京ミッドタウンによる「未来の学校祭」が2月21日から今日まで東京ミッドタウンで開催されている。テーマは「ギリギリ」。アルスエレクトロニカは、オーストラリアはリンツを拠点に、毎年開催されるアートとテクノロジーの祭典「アル…

LOVOT体験会に行ってきた

12月18日に発表されたLOVOTの体験会に年末に行ってきた。LOVOTは、元ソフトバンクでペッパーを手がけた林要さんが設立したベンチャーGROOVE Xが開発した家庭用ロボットだ。なおGROOVE Xは2015年の設立だが、2017年末までにLOVOT開発のために80億円を資金調達…

人が関与せず攻撃するAI兵器の規制は可能か?―国会議員、政府、市民団体、専門家らが議論

人間の関与なく、敵を攻撃し殺傷する兵器をいかにして規制していくか――。このような「自律型致死兵器システム(LAWS)を呼ばれる兵器の開発・使用の規制に向けた議論が昨年から国連で議論が進められている。こうした中で日本はどのような役割を果たしていく…

東大制作展雑感もろもろ

東京大学制作展”Dest-logy REBUILD”の雑感です。制作展は情報学府の授業の一貫でM1を中心とした学生さんたちが企画から運営、作品の出展などを行うメディアアートの展示会で、毎年この時期と初夏?にあります。近所ということもあり、だいたい毎回週末に観に…

テンセントが注目する、世界のAIやロボットをめぐる法的、経済的、社会的、倫理的な課題についての議論

人工知能(AI)ブームの中でもここ1−2年は、AI導入の大きなカギとなる法的、経済的、社会的、倫理的な課題についての議論が、世界中で進んでいます。中でも昨年は、それらの議論がまとまって報告書や法案などの具体的な形で相次いで公開されました。そこで…

テレイグジスタンス型ヒューマノイドロボットが楽しい

今年はテレイグジスタンス型ヒューマノイドロボットをたくさん見かけた年でした。テレイグジスタンスというのは舘先生が30年位前に提唱された概念ですが、離れた場所にいる人(マスター)と同じ動きを、ロボット(スレーブ)が再現するというロボットの操縦…

DCEXPOでVRを体験する

今年もデジタルコンテンツエキスポ(DCEXPO)が昨日から3日間開催されています。 経産省などが主催するDCEXPOは、イベントや展示会が多い秋でも終盤に開催されますが、CEATECなど他のビジネス系イベントと比べるとゆるめで比較的来客が少ないため、ここ1年…

変わるロボットの概念

金出先生の講演 先日行ってきた経産省とNEDOのイベントでの、カーネギーメロン大学教授の金出武雄先生の講演がおもしろかった。内容もさることながら、先生ご自身が本当に楽しんで研究をされているということが伝わってくる、わくわくとさせられる講演だった…

SCHAFTがGoogleからソフトバンクに買収される

ツイッターを見ていたら、ソフトバンクがAlphabet(Googleの親会社)から、ボストン・ダイナミクスを買収するというニュースが流れてきた。 ソフトバンク、Boston Dynamics の買収に合意 ~スマートロボティクス技術の開発促進へ向けたコラボレーションへ~ …

ロボカップはトヨタHSRを観に行くつもり

今年7月に名古屋でロボカップが開かれます。今年から公式ロボになっているトヨタHSRを観に行くつもりです。 RoboCup2017 Nagoya Japan(ロボカップ2017 名古屋世界大会) ロボカップはソニーCSLの北野さんらによって「2050年に人型ロボットでサッカーで世界チ…

"Homo Deus : A Brif History of Tomorrow" 翻訳その2

その1に続いて、Homo Deusの雑翻訳中。感染症好きなのでこの段落読むの楽しかった。 Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 作者: Yuval Noah Harari 出版社/メーカー: Vintage 発売日: 2017/03/23 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る I…

2016年に書いた記事振り返り

2016年は記者(週刊朝日編集部)から編集者(医療健康編集部)になり、また記者(AERA編集部)に戻るという慌ただしい1年でした。分野も、週朝では政治から経済からなんでもやっていたのが、医療健康編集部では医療や医学部、医師が対象、AERAでは医療や科…

ファッション×テクノロジーが気になっている

ファッションをずっと取材しているOさんは、ファッションの取材を通じて社会の動きを見たいと言う。去年くらいから、「ファッションテック」というキーワードを聞くようになった。ファッションとテクノロジーを組み合わせた造語で、レガシーなファッションの…

モーニングの新連載「アイアンバディ」に見るロボット研究

今日発売の「モーニング」の新連載「アイアンバディ」(佐藤真通)は、ヒューマノイドロボットを作るエンジニアのマンガだ。現実のロボット研究のネタがモチーフになっている場面もあり、取材でよく知っているロボット研究者たちの顔が浮かんで、胸熱になっ…

Science誌の新媒体Science Roboticsはオルタナティブな研究の発表の場に

中高生のころ、alternativeという単語を何度も辞書を引いた。意味がよくわからなかった。ニルヴァーナやスマッシング・パンプキンズをよく聴いていたころのことだ。 今macに入っている辞書でalternativeを調べると、以下のように出てくる。 1 【今あるものと…

VRとクロスモーダルとサイバネティックスシミュレーション

日本バーチャルリアリティ(VR)学会という学会がある。記者になった1年目に科学技術部の所属で、当初担当だったバイオからITに担当が変わってすぐのときに、ひょんなところから、VR学会の中心人物である廣瀬先生の取材に伺って以来、どういうわけかここ10…

五月祭はロボットを楽しんだ

東大の五月祭が昨日と今日開催中だ。近所の本郷キャンパスで開催されているが、混雑とリア充が苦手なので、あえて近づかない。母校の北大では6月に楡陵祭という学祭があったが、勝手に参加放棄をして旅行とかに行っていたっけ。でも、昨日は五月祭に行って…

東大「情動」のシンポジウムで、VRから情動の、廣瀬先生の話を聞く

調べ物をしていて東大の産学連携のサイトを見ていたら「情動」の二文字が。「第26回科学技術交流フォーラム 情動ー人の感性を科学するー」と言うイベントでした。ここのイベントとしては珍しく満員御礼で座席数の多い会場に移すほどの大人気ということでした…

Googleがロボット事業を売却へ?

Googleが、2013年に買収したロボットベンチャーのボストン・ダイナミクスの売却を検討しているとブルームバーグが伝えている。ボストン・ダイナミクスは、先日人型ロボットのAtlasが雪道を歩いたり倒されても起き上がって歩き出したりするといった動画を公開…

「自分の頭で考える」は、自分ひとりじゃなくて、ほかの人と一緒に

「自分の頭で考えなさい」 とメンターのような元上司に、しょっちゅう言われる。質問をすると、まあだいたいそうやって叱られる、いまだに。 「考えてもらいたい。考えるきっかけになればと研究をしている」 と尊敬する研究者である友人は言う。 友人が言う…

テレプレゼンス人間に、コミュニケーションを代行する

遠隔地にいる人とのリアルタイムのコミュニケーションには、Skypeなどテレビ会議(顔が見える、主に音声でやりとり)や電話(音声でやりとり)、チャット(テキストでやりとり)を使う。チャットと比べるとSkypeでは、表情と音声でコミュニケーションがとれ…

「炎上」して好循環が生まれた、人工知能学会誌表紙問題

前回の続きで、「炎上」によってテクノロジー、研究が良い方向へ向かうサイクルの話。意図せずして議論を呼び「炎上」し、研究者自身が変容し、新しい物事が始まり、結果的に研究者にとっても社会にとってもよい循環に入ったという事例に、人工知能学会誌の…

人工知能研究で文科省、経産省、総務省の連携は同床異夢か

文科省、経産省、総務省の三省が連携して人工知能研究を進めるという。もともと政府の日本再興戦略などで人工知能研究の推進をうたっているので、当然といえば当然だ。だが、それぞれが見ている夢は異なるのではないだろうか。 先日、経産省系ファンディング…

機械を支配し、機械に支配される、人と機械のあり方

人工知能(Artificial Intelligence:AI)やロボットが人の雇用を奪い、やがて人の知性を超えるシンギュラリティが訪れるーー。パソコンやスマートフォンに四六時中向かっていることで、心身ともに健康を蝕まれていくーー。 有史以降、言語、印刷技術、写真…

「その人がどう考えどう感じるか」患者の主観評価へ、という中島先生の話と、人とテクノロジーにおける主体感について

先日のシンポジウムで興味深かったのが、医療現場で今、患者の主観にもとづいた治療評価がトレンドとなっているという、国立病院機構新潟病院副院長の中島孝先生の話だった。 「臨床評価を、患者の主観に基づいた評価にしていこうとしています。医療における…

Boston Dynamicsの新型Atlasがすごい

Googleに買収されたBoston Dynamicsが公開したヒューマノイドロボットAtlasの最新動画がすごい。 Atlas, The Next Generation 新型Atlasは身長175cm、体重81kg。動画では、雪が積もった山道を歩いたり、突き飛ばされて倒れた状態から自力で起き上がったりし…

ヒューマノイドロボットは電気羊の夢を見るか

経産省系のファンディング事業を行っている新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の担当者は言う。 「ヒューマノイドロボットは災害時に活躍します。災害現場や建物の中は、人に適した作りになっているから、ヒューマノイドロボットならば、人に代わっ…

テクノロジーは、人間と世界の間を媒介するメディア

テクノロジーは自己と環境との間のメディア(媒介)、インターフェイスだと、哲学者の久木田水夫さんは言う。人間は、テクノロジーを介して世界を知覚、認知、解釈し、テクノロジーを介して世界に働きかける。 久木田さんは昨年、「生まれながらのサイボーグ…