人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、人と話したり、議論したり、思ったりしたことの備忘録

政府や企業、研究機関などの会議やシンポジウムには若者や女性がほとんどいない

 科学技術や医療の取材をするようになって早10年目になった。企業や政治家、マーケットの取材をしていた時期もありつつ、中央省庁、大学・研究機関、医療機関などにはずっと取材に行っている。それらの会議やシンポジウムの取材に行って、気付くことがある。登壇者も参加者もスーツのおじさんがほとんど、ということ。

 先日、文科省経産省総務省などが主催する、人工知能の研究開発に向けたシンポジウムへ行ってきた。その参加者は写真のとおりだ。ほとんどおじさん。

 2つの問題があって、ひとつは会議やシンポジウムで発言をする登壇者。もうひとつはそれを聞いている参加者。どちらもスーツのおじさんがほとんどだ。

 登壇者がほとんどおじさん問題は根深いが議論にあがることは多い。一方で、あまり話題にはらないが、参加者にもおじさんが多いことは、機会喪失の問題として看過できないと思っている。

 例えばこのときのシンポジウム。政府の研究開発は、目先のことだけじゃなくて、5年後10年後20年後を見据えた国としての投資だ。そこに、その頃にはすでに引退している人たちばかりが来ているのはいかがなものか。このシンポジウムの内容は知識として聞く価値があるものだ。シンポジウムに参加していないできないことで、その機会を得られないという不利益を被る。こういうのこそ若い人にもっと聞いてほしいよね、と思うときはだいたい参加者は眠そうな顔してメモすらとらないおじさんたちで占められている。

 だから、書き手としてせいぜい出来る抵抗は、それを記事にすること。そこで起こっている、知る価値がある情報を伝えること。と思って、そのシンポジウムは当初は書くつもりはなかったのだけれど、シンポジウムが終わってから編集長に連絡をして記事を書かせてもらいました。

人工知能の研究開発で文科省・経産省・総務省が合同シンポジウムを開催 -政府、産業界、人工知能研究者は同床異夢か?