人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、取材とか思ったこととかの備忘録

ポケモンGOと、東京という特殊空間

「うちの職場やまわりでは、全然ポケモンGOって聞かないよ。でもFacebookを見たらみんな書き込んでいるでしょう」

 昨夜、地元で医師をしている中高の同級生がそう言った。学会などの出張で東京にはしばしば来ているが、「東京に行くときは、外国に行くような気分。ぜんぜん違う街」と言う。例えば電車や地下鉄の改札。地元ではまだまだ切符を買う人が多いという。東京ではほぼ見かけない。地元は人口200万人以上のそれなりの大きな都市だが、都市の規模の問題ではないらしい。

 東京に住んで仕事をしてると、金曜にポケモンGOがリリースされてから、街の様子が変わった、と言う人が多い。スマホを持って街にいる人たちが増えたことだ。筑波大の方たちの調査では、1年前と比較して秋葉原スマホを持って歩いている人は3倍に増えたという。(もっとも、知り合い曰く、ポケモンGOをやるには立ち止まらざるをえないので、実際は歩きスマホよりも立ち止まりスマホが増えたのかもしれない)

 実際、自分の体感も同じだ。職場でポケモンGOが話題になる。街を歩けば、スマホをのぞき込む人が多い。夜でも2人連れくらいでスマホを片手に散歩をしている人が増えた。SNSを見れば、TwitterFacebookも、ポケモンGOの投稿がTLを占めている。株式市場の動向、報道も含めて、「ポケモンGO狂騒曲」といった状況がここ1週間くらいの間に起こったこと。

 でも、東京以外で同じ現象起こっているのかどうか、わからないし、おそらくそうではないだろう。ポケモンGOは、Ingressがそうであったように、人口やプレイする人が多い場所のほうが楽しめるという地域性を持つ。東京と地方は事情が全く異なる。

 ポケモンGOは、Windows95がインターネットを普及させたように、新しいパラダイムをもたらすものだと言う人もいる。ゲーム、AR、コンテンツ、複数の要素が複合的にあいまったとはいえ、テクノロジーが普通の人間の行動を変えた。また、それによって、ARというテクノロジーが一気に一般化した。

 昨夜の会話ではっとしたのは、東京にいる自分たちは、東京のトレンドは全国のトレンドだと思いがちだが、それは実際は全然違うんじゃないかということだ。

 もともと、マスコミや出版などメディアの企業が集中する東京は、地方への情報発信の発信源だ。だから、東京で起こっていることは、いずれ地方にも広がり一般的な現象になる、というのは正しい部分もある。だが、東京で自分たちが見聞きしたこと、ニュースの報道、それらが全てじゃない、と思うことは案外忘れがち。