科技メモ

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モーニングの新連載「アイアンバディ」に見るロボット研究

 今日発売の「モーニング」の新連載「アイアンバディ」(佐藤真通)は、ヒューマノイドロボットを作るエンジニアのマンガだ。現実のロボット研究のネタがモチーフになっている場面もあり、取材でよく知っているロボット研究者たちの顔が浮かんで、胸熱になった
 
 マコちゃんは大学卒業後立ち上げたロボットベンチャー「西真工業」で二足歩行ロボット「ロビンソン」をひとりで開発中。ロビンソンは二足の脚の上にコンピュータとバッテリーを含む大きな体幹があるが、頭部はない。東大JSKで浦田さんが開発した浦田レッグがモチーフのようでもあるし、ホンダのASIMOの前身であるP2のようでもある。

 

 上は、東大JSKで開発した脚が強いロボット、通称「浦田レッグ」のデモ。

 

 ホンダのP2の紹介動画。1997年のもの。

 マコちゃんは下町の工場に場所を借りていたが、家賃滞納で追い出される。出資先をもとめて、ロボティクス・エキスポに出展する。そこでは、かつて一緒にロボットベンチャーを起業した椎野は三帝ロボティクス社で油圧式のヒューマノイドロボット「アレキサンダー」を発表して喝采をあびている。
 
 アレクサンダーが阿波踊りを披露するのは、HRP-2のデモを思い出す。油圧式ヒューマノイドロボットといえば、Googleに買収され、TRIに売却されようとしているボストン・ダイナミクスが開発したAtlasそっくりだ。Atlasが公式ロボットとしてつかわれたDarpa Robotics Challengeがモデルと思われる国際ロボット大会の描写もある。

 

 上は民謡を踊るHRP-2。HRPは、通産省の国プロで開発された。

 

  今年2月に公開された新型Atlas。DRCのときはもっとメカメカしくて怖かった。
 
 油圧式のアレキサンダーに対して、ロビンソンはモーターで強い力を出せる。そのために、水冷式モーターと大量の電流を流せるドライバーモジュールを使うが、これは浦田レッグと同じで、その後SCHAFTのロボットに採用されている。なお、SCHAFTの1号機はボディが赤色で、水冷式モーターの水も赤色に着色していた。
 
 ロビンソンの脚の強さを示すために、マコちゃんがロビンソンの脚をバットで打っても倒れないという場面は、ボストン・ダイナミクスが動画でAtlasをホッケーの棒?で打つ場面を彷彿させる(Atlasは倒れるが、自力で起き上がる)。ちなみに、浦田さんは浦田レッグのロボットの動画で、ロボットの脚を蹴飛ばしても倒れないというデモをしている。
 
 「二本足ロボットのベンチャーは日本ではやっていけねーんだ。技術だけで金が集まるなら誰も苦労しねーんだよ」と椎野はマコに言う。
 
 そんなことないし、重要な事はもっとほかにある。SCHAFTの中西さんたちを見ていて、そう思った。

 

DRCtrailの時のSCHAFTの紹介動画。