科技メモ

テクノロジーと人間について、取材の備忘録とか思ったこととか

今年もDCEXPOへ行ってきた

先週、デジタルコンテンツエキスポ(DCEXPO)へ。DCEXPOは経産省などが主催するデジタル技術の展覧会で、経産省が認定したInnovative Technologiesの展示やデモがあり、それらを誰でも無料で体験できるイベントだ。他にもシンポジウムや展示があるが、主に大学や研究機関、企業のデモを体験するのが目的で、記者1年目の時から10年連続取材に出かけている。

今年は、中国など海外の出展が増えたというのが第一印象。メイン会場入口近くの大きなブースが中国企業だったというのが印象強かっただけだけど。ただ、HTC viveとグローブ型のセンサーを使ったVRのデモだったが、精度とコンテンツが微妙だった。お花見の桜が舞うコンテンツだが、せっかくグローブ型センサーを使っているのに、花びらをつかむといったインタラクションができなかったのが不満。

VR空間で手を自由に使えるようになると、インタラクションがないと不自然で不満感が増す。

一方、NHKによる8K:VRシアターではその逆のことを感じた。視覚体験だけで満足すると、インタラクションはさほど重要ではないのかもしれない。8Kの3Dディスプレイのシアターで、3Dメガネをつけて鑑賞するが、HMDを被る必要はない。小さな映画館のスクリーンが高精細になり3Dになったというイメージだ。コンテンツはサカナクションの碧のプロモーション映像だった。

高精細の映像はきれいだ。3Dメガネをかけると、バンドのメンバーがスクリーンから前に出てきているような、距離感を感じることができた。

ただ、コンテンツの作り方には不満が残った。プロモーション映像だから仕方がないのかもしれないが、文字が浮き出るとか、3Dである必要性がないシークエンスがいくつかあった。いいコンテンツだと思ったのは、ライブ映像で、ステージ上のバンドを周囲から360度回転させた映像だった。つまり、ステージの裏からまわりこんで正面まで見られるということになる。これはリアルではまず体験できない、映像ならではの体験だ。こういったコンテンツには、適していると感じた。

もっとも、VR研究者に言わせると、これはインタラクションがないのでVRではなく8K・3Dだということだが、体験としてはインタラクションがなくても、それなりに満足できた。映画館で映画を見て、インタラクションがなくても別に不満じゃないでしょ?それと同様に。まあVRかどうかは議論が分かれるのかもしれないけれど、一般人としては、どっちでもいい。

今年のDCEXPOはHMDを被るタイプのVRが比較的多かった。HMDは現状技術としてはだいたい成熟していて企業がHMDを次々と開発する段階なので、展示はコンテンツを見せるものがほとんどだ。個人的に今のHMDは付け外しがめんどくさいし重いし使い勝手が悪すぎるので、普及するとは全く思っていない。もっと使用者の負担が軽くなるものがでてくることを期待している。

HMDを写真にとってもつまらないので、HMD以外のものを。

NICTの360度方向からの裸眼立体視ディスプレイ。つまりレイア姫。写真ではわかりづらいが、中心の円形の部分から立体像が出ていて、360度どこから見ても立体像が見られる。テーブルの下にディスプレイが多数並んだアレイがあって、そこから複数方向に一度に投影することで立体像を見せているそう。まだぼんやりしているけれど、ディスプレイの個数を増やせばもう少し画素が上がって見やすくなるのだろうか。

地味にすごいなあと思ったのが、星さんたちの指向性スピーカー。超音波で制御してあげることで、空間の一地点だけから音が聞こえるというスピーカーだ。写真ではライトと台の中間くらいに耳を傾けると、音が聞こえるが、それ以外の場所では全く聞こえない。

Unlimited Corridorは、高所恐怖症なのに体験してくださった石黒先生のリアクションが最高でした。仕組みを知っていて何度か体験させてもらっている私でも怖いし、最後は反射的に叫び声あげてしまうし。