備忘録

テクノロジーと人間

カルテット

不思議なドラマだった。話題になっているものはとりあえず追いかけます(職業病)。オンデマンドで追いかけつつ、初回以外はたぶん全部観ているはず。

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夢やぶれつつあるアラサー男女4人が、軽井沢の別荘で同居して再び夢のカルテットを組む。途中、サスペンスぽい謎解きもありつつのヒューマンドラマ。
 
先日取材に伺ったとある映画監督の方が、「人間はバーチャルな世界にしか生きていないんだよ」と仰っていた。
 
虚構と現実、人はそれらを分けたがるけれど、実際には不可分だし、仮に分けるとしたら、人間の自意識は虚構だ。人間は虚構の世界に生きている。
 
バーチャル=本質、という意味だから、バーチャルな世界に生きることが虚構の世界を生きることと同義ではないにせよ、物理的に実体のある世界が本質ではない、という点では、人間がバーチャル、虚構の世界に生きているというのは納得がいく。人は自らの認識が作り出した世界を生きているから。
 
フィクションは、虚構を虚構として描く虚構の世界だ。だがその虚構こそが人間の真実なのかもしれない。
 
カルテットはフィクションの虚構の世界だけれど、ドラマの世界そのものが、虚構であること、ファンタジーであることを感じられる虚構世界で、それを感じられたのが、不思議なドラマだなあ、いいドラマだなあと私は感じたのだと思う。
 
椎名林檎によるエンディングテーマ(時折冒頭で流れたことも会ったけれど)の映像は、着飾った4人がパフォーマンスをする架空の姿だったけれど、最終回は、バンに乗って移動中の4人が口ずさむ(松たか子さんと満島ひかりさんの表情が着飾った映像と同じだったことに鳥肌が立った)。それによって、ドラマの中での現実も、虚構にスライドしたように感じた。