科技メモ

テクノロジーと人間について、取材の備忘録とか思ったこととか

人工知能と安全保障技術研究ーその議論の素地を作っていく

日本では安全保障に関連する技術の研究や開発ー「軍事研究」と呼ばれることもあるーについて、イデオロギーなしでフラットに議論ができないものか、っていうか議論したいということを前に書きました。

kaetn.hatenablog.com

同じように感じている人は私の周りの研究者やメディア関係者にはちらほらいて、そういう人たちとよく一緒に議論をしています。

こういうことを言っていると、あなたは記者なんだからあなたが書けばいいと、よく言われます。

それについては、前に弊誌でも書いたけれど、そもそも議論がないので、取材ができないという問題があります。議論があるところはイデオロギー論争をしている。私が知りたいのは、実際に手と頭を動かしている、工学系や情報系の研究者がどう考え、具体的にどうしているか、今後どうしていくかです。

dot.asahi.com

議論がないから取材ができない。取材ができないと記事が書けない。そうするとますます議論にならない。

ならば、ないなら作ればいい。と、工学系や情報系の研究者の人たちと議論の場のための素地をつくろうと、ここのところ畑を耕しています。工学系や情報系の研究者の方たちと、安全保障技術をめぐる国内外の現状について、クローズドで勉強会をするとか、議論をするとか。

少しずつ種も蒔いています。

そのひとつが、先月の人工知能学会全国大会での倫理委員会の公開討論です。エマちゃんと2人で企画したこの公開討論で、AWS(Autonomous Weapon Systems)の議論をすることを念頭に置きました。

なお、公開討論のレポートは↓

ai-elsi.org

これに関連して、日経コンピュータの浅川さんが先日、以下の記事を書かれました。

itpro.nikkeibp.co.jp

倫理委員会の公開討論のほかに、中で出てくるIEEEのワークショップもまたエマちゃんと一緒に企画と運営をしたものです。ちなみに、浅川さんはワークショップにも来ていただいてありがたい。

ワークショップの詳細はこちら。このワークショップは、倫理に配慮した人工知能の設計についてのIEEEのレポートへのインプットのための意見抽出が目的でしたが、8項目のうちもっとも議論になったのが、AWSの項目でした。なお、このページの一番下にはレポートもあります。

IEEE “Ethically Aligned Design, Version 1” Workshops in Japan - Workshop In Japan

こうやって少しずつでも議論の素地を作っていければなあと思っています。