人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、取材とか思ったこととかの備忘録

科学技術に「夢」はあるか

量子コンピュータの記事について、友人(科学部の記者)とツイッターでやりとりをしていて、実用化がまだ遠いという点での量子コンピュータに、未来物語として夢があると彼は言う。

一方で私は、D-waveのようにすでに商用化されている流れでの量子コンピュータ(正確には量子アニーリング)に関心がある。単語としてはどちらも量子コンピュータというが、仕組みもその性能も全く異なる。

科学技術に未来の夢を見る。そういう考え方はとてもまっとうだと思う。

一方で、私は記者として記事を書くにあたって、科学技術に夢を見るという視点があまりない。経済紙出身というせいもあるかもしれないが、人間や社会にとって何らか「役に立つ」かどうかという視点が、記事を書く上での前提になる。「おもしろい」という視点もあるが、それも何らかの「役に立つ」につながる可能性があるから「おもしろい」と感じるわけなので。

なお、「役に立つ」というのは短期的に経済的なメリットがあるといった意味に限らない。中長期的にも人間が社会を生きる上での知恵やビジョンを提供するという意味での「役に立つ」も含む。

とはいえ、いずれにしても実用的であり現実の課題解決につながり、人間が社会の中で善く生きていくという視点だ。「夢」というのもしかしたら人によっては同じような解釈なのかもしれないけれど、ただ私はもっと実用的で具体的なピースであって欲しいと思っている。

一方で、仕事を離れたら、純粋に科学技術に「夢」を見る、というのももちろんある。

件のツイートの関連で、知り合いの研究者からリプライをもらったのは、彼女はAI研究に夢を見ていると。彼女とは同じではないかもしれないけれど、私は人間に関心があって、人間をもっとよく知りたい、そのヒントになるのではないかという点で、AI研究に夢を見ている。