人間とテクノロジー

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人工知能に関わるISO/IEC JTC 1国際標準化が始まるそうで

人工知能に関わる国際標準化がスタートするけど日本から意見をインプットするので検討メンバーを募集します、というプレスリリースが情報処理学会から1/10にありました。

人工知能に関わる国際標準化がスタート-情報処理学会

ISOの中でもITの関わる国際標準化を担っているISO/IEC JTC1内に人工知能に関する分科会を設置することが昨年10月に決まりました。で何をするのかというと以下の通りです。

最初に開発する規格は、人工知能に関連する用語と基本概念を記述する「人工知能の概念と用語」、機械学習技術を用いて構成するAIシステムや機械学習フレームワークを記述する「機械学習を用いた人工知能システムのフレームワーク」の二つです。まずは、これらの人工知能に関わる基本となる規格を開発し、JTC 1内外の標準化委員会に対して人工知能の利活用に関する規格開発の基盤を提供することを目指すとともに、人工知能に関する新たな標準化テーマの探索が進められます。

 で、情処では日本から意見をこの分科会にインプットしたいということ。情処の検討会の活動内容は以下の通りです。

・新しい作業項目、規格案等のレビューと日本としての意見発信
・ISO/IEC JTC 1/SC 42へのコメント提出と会議参加
・当該分野での新しい規格項目の洗い出しとISO/IEC JTC 1への提案活動

メンバー公募でプレスリリース??とかいろいろツッコミどころがありますがまあいいや。

なお、ISO/IEC JTC 1/SC 42(人工知能にかかる分科会)には日本からのメンバーは入っていないのよね。

ISO/IEC JTC 1/SC 42 - Artificial intelligence

ISO/IEC JTC 1/SC 42の情報はあんまりないけれど、昨年10月の分科会設置のときの議事メモみたいなのと、今年4月に会議するよーというのはここでわかります。

ところで、人工知能の国際標準化としては、主に通信規格で有名なIEEEでは、AIなどの自律的な機械の設計において倫理的に配慮した設計を検討する委員会を作っていて報告書を作成中です。

ethicsinaction.ieee.org

これが直接IEEEでの標準化になるというのではなく、標準化活動に参照されるという形で活用されます。今のところ昨年末に出たバージョン2が最新版。

こっちの方は日本ではエマちゃんの個人活動からのなぜか公式になったワークショップシリーズをやっていて、ここでファクトや意見を集約してIEEEにインプットしています。これ私も手伝っていて、前のバージョン1については以下の通り。

kaetn.hatenablog.com

バージョン2では1の8分野に5分野が加わって13分野に検討されています。こっちに関しては2〜3月にワークショップシリーズをします。

サマリーの日本語訳はIEEE日本事務局の方で作っていてここからDLできます。