人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、人と話したり、議論したり、思ったりしたことの備忘録

五月祭はロボットを楽しんだ

 東大の五月祭が昨日と今日開催中だ。近所の本郷キャンパスで開催されているが、混雑とリア充が苦手なので、あえて近づかない。母校の北大では6月に楡陵祭という学祭があったが、勝手に参加放棄をして旅行とかに行っていたっけ。でも、昨日は五月祭に行ってきた。ロボットに会いに行くために。

 昨日、TwitterのTLをなんとなく眺めていたら、オープンラボをしているという稲葉研(JSK)の方のつぶやきを見て、行くことに。JSKはロボットの研究室で、「ちゃんと動く」ロボットをつくっているという点で、国内で一番の大学研究室と思っている。10年近く前から取材させていただいている。五月祭は学祭だけれど、ひそかに(?)オープンラボをやっている研究室もあって、東大の研究は宝の山でおもしろいものがごろごろあるので、まとめて見られるいいチャンスでもある。

 オープンラボのいいところは、ロボットを見られるだけでなく、それを作っている研究者や学生の方たちとじっくり話せるところ。

 「ロボットの認識と運動にディープラーニング機械学習を」と松尾先生がいつもおっしゃっていて、実際どうなんだろうと聞いてみたら、ここ1-2年で使えるようになってきて、AEROというロボットでは肘関節の動きから自分の位置認識に使っているとのこと。でも、お話伺ってると、出入力どこにするか決めるのとかデータ取るのとか大変でなかなか難しいんだなあと思いました。

 懐かしいロボットたちにもまた会えました。

 人間の解剖学的な身体の作りを模したロボットは理学的な興味ですごくおもしろくて、モデルが作れないからシミュレーションができない、機械学習にしても動作は再現性がないから学習データがとれない、ということで、ますます人間ぽいじゃないのと思いました。

 写真は人間の解剖学的な身体の作りを模した腱志郎というロボット。現行機はまた別で、こちらは古いバージョン。腱志郎の動画は下。

 

 これは数年前に浦田さんが作ったロボットで通称「浦田レッグ」とも呼ばれていたっけ。これを元に起業したSCHAFTはGoogleに買収された。

 

 浦田レッグは、蹴っても倒れない、ジャンプできるという頑強なのが特徴。そのためこの動画でもロボットを蹴るデモの場面がある。(なお、「ロボットを蹴るデモ」というのはこういうロボットの研究のデモでは定番にあるのだけれど、少し前に公開されたボストン・ダイナミクスのAtlasの動画では「ロボットがかわいそう」といった一般の人の反応もあり、ロボットに共感することをなかなか興味深く思った)

 でもやっぱり何よりおもしろいのは、ロボットの作り手の研究者と学生さんたちで、ロボットのことをすごく楽しそうに話してくださってありがとうございました。