人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、人と話したり、議論したり、思ったりしたことの備忘録

「VERTIGO/めまい」と生身の人間

9月、原宿のVACANTで、俳優の森山未來さん、音楽作家のKAITO SAKUMA a.k.a BATIC、写真家の岩本幸一郎さんによる「VERTIGO/めまい」というインスタレーション&パフォーマンス作品を観た。サブタイトルは、情報化社会において「個人を取り戻すこと」にまつわる模索。普段大量の情報を浴びてそれをやりくりしながら過ごす中で、記号化されたデジタルの情報ではない、アナログで生身の人間の動きのその強さを感じるパフォーマンスだった。

www.vacant.vc

金曜夜、事前知識がほぼないままにVACANTへ行くと、1Fでドリンクをいただき、2Fへ上がるとそんなに広くない薄暗い空間に、観客が数十人、空間の中には写真などのインスタレーションがあった。

時間になると部屋の中央を取り囲むように観客が部屋の周縁に集まり、その中央部分に森山さんがひとり立つ。

 

 

パフォーマンスの後半で、自分を全身スキャンしたアバタをVR空間でうまく動かせず関節が不自然に動くときと同様の動きがあり、生身の人間なのにVRアバタみたいだ、とふと思った自分を客観的に見ると、情報化社会にどっぷりつかっていて、情報空間のほうが物理社会よりも馴染みがあるかのようだと思った。生身の人間のパフォーマンスは、情報空間が霞むほどに、圧巻でした。