人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、人と話したり、議論したり、思ったりしたことの備忘録

2019年振り返りと2020年抱負

2019年はあいかわらず編集と記者をしていながらもいずれも会社仕事のエフォートがやたら高くなり、もう少し”あそび”としての仕事やらないと・・・と思った1年でした。自分以外の人にお仕事をお願いする(人を雇ってもらうとか外注とか)というのが前年にも増して増え、必要なことなんだけど、まだ試行錯誤が続いています。ということで、調整やらマネジメントに気を取られたフシもあり、2020年は個人的に満足のいくアウトプットをもっと増やしたい。つまりいろんなたくさんの人と会って話して議論して企画立てて取材して原稿書くというベースの仕事に割くエフォート増やしたい。そのベースがあってこその、セミナーにしろ他の企画やら調整やらだと思っています。

”あそび”の仕事、というのは誰かに頼まれたわけでもmustな仕事でもないけれど、なんでか気付いたらやってる仕事のことを指します。遊んでいるわけではなく仕事だと私は思っているけれど、会社仕事のようにお金をもらってやるという点での仕事の範疇に含めるためにはその意義付けを説明する必要がありある程度の作文が必要になるというやつで、作文するのがめんどくさい場合はもう趣味として割り切ります。作文できるものは、”あそび”の仕事を会社仕事の中にねじ込むということはやっていて、エマちゃんとたくせんさんと1月から始めた医療×AIセミナーシリーズはそのひとつ。

ifi.u-tokyo.ac.jp

これについては具体的なアウトプットもいくつか出ていて、”あそび”と会社仕事の両立は可能だし、なんなら当初誰も期待していなかった新しい価値生み出せるんだな〜という学びがあり、その点は自信になりました。やりたいことをやりたいようにやることが結果的に価値につながるんだなあと。

会社仕事では編集者または記者として(つまりただの観察者・傍観者として)医療とAI(というよりIT)まわりをずっと見続けている中で、編集者にしろ記者にしろ傍観者に過ぎないのだけれど、一国民としては当事者でもあるわけで、見ているだけでまじいいんかい自分というもやもやが続いています。現状のままではこの国の保険医療制度が破綻(なんなら国家財政破綻)するのは確実なので。

なぜ医療でのAI導入というかそれ以前の問題としてデジタル化とIT活用がうまく進まないかという問いについては、概ね技術の問題ではなくレギュレーションとビジネスモデル、それと業界の既得権益構造の問題ということは誰もが認識しているところですが、じゃあその課題を克服してどのように具体的に進めていくのか、またそれ以前の問題として、デジタル化・IT化・AI化の推進はなぜすべきなのかの整理はしたい。技術の社会実装は、往々にしてそれ自体が目的化しがちで、でもそれって全然合理的でもないしナンセンス。技術は目的に向かうための手段にしか過ぎない。その視点から今一度整理した上で、ではどうすすめるのかをみんなと考えていけたらなあと思っています。

ということで(?)、2020年に各論として興味があるのはデータ、プライバシー、メディアです。あと毎年言っている「定点観測ブイかつ船になる」ということで、本業は編集者・記者ですけど、観察者であるだけでなく当事者の立場からできることはやっていく所存。当事者に含まれるのかどうか知らないけど、データ、プライバシーについて議論したいけど社内で議論相手がいないとTwitterで愚痴っていたところ、諏訪先生からOS・シンポジウム企画しない?とお誘いいただいて、諏訪先生がやっている社会情報システム学シンポジウムでPHR/PLRについてのOS・シンポジウムを企画しました。楽しい議論になりそうで司会のワタシ得。

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