人間とテクノロジー

人間とテクノロジーについて、人と話したり、議論したり、思ったりしたことの備忘録

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「ビッグデータと人工知能 可能性と罠を見極める」(西垣通、中公新書)

メディア報道では少し前は「ビッグデータ」、最近は「人工知能(AI)」という単語がさかんに使われ、バズワードとなっている。バズワードとなったテクノロジーは、多くの場合その明るいメリットが強調されるかもしくは将来人類に不利益を与えるとする「脅威…

モーニングの新連載「アイアンバディ」に見るロボット研究

今日発売の「モーニング」の新連載「アイアンバディ」(佐藤真通)は、ヒューマノイドロボットを作るエンジニアのマンガだ。現実のロボット研究のネタがモチーフになっている場面もあり、取材でよく知っているロボット研究者たちの顔が浮かんで、胸熱になっ…

ポケモンGOと、東京という特殊空間

「うちの職場やまわりでは、全然ポケモンGOって聞かないよ。でもFacebookを見たらみんな書き込んでいるでしょう」 昨夜、地元で医師をしている中高の同級生がそう言った。学会などの出張で東京にはしばしば来ているが、「東京に行くときは、外国に行くような…

ポケモンGOを3日間やってみた

Tech crunchのリーク報道で水曜に日本リリースといわれたポケモンGO。公式が何も言っていないのに勝手に「延期」されたことになっていたが、金曜にようやくリリースされた。Twitterが騒がしくてリリースを知り(当初はAndroidのみ)、その後iPhoneでもリリー…

嗜癖の研究

じょんひょんさんに誘われて行ってきた、鈴木さんの個展「ムダなルール」がおもしろかった。 何年ぶりかに通ったキャットストリートからくねくね道に入って、若いねー、おしゃれだねー、と年寄りじみた会話をしながら展示会場まで道に迷った所で、鈴木さんに…

フィルターバブルの中を生きている

中立公平だとか、メタにものごとを見ているとか言ったって、私たちは常にフィルターバブルの中を生きている。「フィルターバブル」は、ネット検索などでアルゴリズムが最適化された結果、自分に近い、潜在的に望む情報にしかリーチできなくなり、あたかもフ…

Science誌の新媒体Science Roboticsはオルタナティブな研究の発表の場に

中高生のころ、alternativeという単語を何度も辞書を引いた。意味がよくわからなかった。ニルヴァーナやスマッシング・パンプキンズをよく聴いていたころのことだ。 今macに入っている辞書でalternativeを調べると、以下のように出てくる。 1 【今あるものと…

科学技術研究のデュアルユース

科学技術を取材する立場からここ数年の大きなアジェンダのひとつが、科学技術研究の民生利用と軍事利用のデュアルユース(両義性)だ。いくつかあるが、大きく注目をあつめるきっかけとなったのが、昨年度から防衛省が始めた、大学などのアカデミアの研究を…