東大制作展雑感もろもろ

東京大学制作展”Dest-logy REBUILD”の雑感です。制作展は情報学府の授業の一貫でM1を中心とした学生さんたちが企画から運営、作品の出展などを行うメディアアートの展示会で、毎年この時期と初夏?にあります。近所ということもあり、だいたい毎回週末に観に行っています。東大だけでなく、東京藝大など他大学の学生さんたちとのコラボ作品も多く、工学なのか、アートなのか、デザインなのか、そのあたりの要素がまぜこぜになった、普段見ている研究とは一味違う、とても面白い作品たちに出会うことができるので、毎回楽しみにしています。

体験していろいろと考えることがあった点では、自分の3Dスキャンから自分のアバターをその場で作ってドッペルゲンガーを体験する「二重人殻」が面白かったので以下で思ったことをつらつらと書きました。

kaetn.hatenablog.com

ところで、その場で3DスキャンしてVR空間に自分のアバター取り込んだコンテンツ体験できるって、アプリなどツールが充実してきたおかげではあると思うけれど、技術の進歩とコモディティ化のスピードの速さを感じます。

THKのロボットが案内をしてくれた

2階フォーラムでは、会場案内ロボットがいました。制作展の会場は、3ヶ所に分かれていて、フォーラムから他の展示場へ案内をしてくれます。正面にたつと話しかけられ、どちらへ行くかを対話で選びます。選択した場所へ行くためにロボットが先導してくれました。

後ろについていきます。

こちらです、のポーズ。

 ところでこのロボット、ハードはTHKのSEED Platformを利用していて、ソフトは共同研究をしているJSKが開発。ヒューマノイドと言えなくもないけれど、溢れ出る産ロボ感がありました。

ロボットに抱きしめられ、恐怖を感じた

ロボットでは、ロボットに抱きしめられる展示がありました。「Electric World」という作品で、世界観とストーリーが作り込まれていました。なんですが・・・

 

 これに対して、以下のリプを頂いたんですが、なるほどと思いました。

 

ただ一方で、信用(信頼?)ってどうやって生まれるのかな、とも思いました。人に対するそれとロボットに対するそれはまた異なるのではないかと。ロボットへの不安や恐怖は、その力の強さというよりも、故障など不測の事態のリスクが含まれるためではないかと思いました。そしてそれに対する信用や信頼は、ゼロリスクはありえないので、どのように構築していくのか、と、また答えないんですが。

さわる顕微鏡は普通に売れそう

指先にレンズ、センサー、振動子を付けてプレパラートの上を触ると、拡大して画面に表示する触る顕微鏡は、普通に売れそうだなと思いました。細胞の上を触るつぶつぶ感も触覚提示します。稲見研の大伏仙泰さんによる「Feelable Microscope」という作品。

指先にデバイスをつけてプレパラートの上を滑らせると、触れた部分の拡大画像がディスプレイに表示されます。観察しているのは赤玉葱で、細胞壁に囲まれた細胞ひとつひとつがくっきり見える。

指先にレンズがついています。

病理をやっていた学生時代は一人一台オリンパスのどっしりした顕微鏡を使っていましたが、細胞診や術中迅速診断などでは、こうした簡便な顕微鏡が使えるのではないかなあと思いました。最近ではスマホ顕微鏡もあるけれど、知人の病理医によるとスマホ顕微鏡でもある程度診断できるそうです。

ほかにもいろいろ

顔認識からその瞬間の生年月日を推定するシステム。秒ごとに推定が変わるのだけれど、だいたい実年齢より若く表示されるけれど、あえて配慮されているのかしら??

センサーの上で手をぐるぐる回すと、水槽の中で渦ができる。